毎年、夏と言えばK4-GP。2007年から参戦を続けて、すっかり恒例となりました。これが終わると、夏もそろそろ終わりだなと感じます。
今年は、スタートドライバーを務めました。公式の配信動画とヘルメットカメラの映像を組み合わせて、K4-GP独特のスタート時のムービーを作ったので、まずはそれをご覧ください。VIDEO
では、ここから時系列を追いながらの振り返り。
今年からタイムスケジュールが変更になって、10時間耐久の参加車両の練習走行時間は前日の夕方になりました。そのため、今年は夜が明けてからの出発です。
この車両は、NSXにしか見えませんが、ベースはS660です。今年のレースで一番注目されていました。一瞬、なんでNSXにK4-GPのゼッケンが? と思いました。
いつもは練習走行が終わってからの昼食ですが、今年は昼食が先です。パドックのレストランが「オリヅル」だった時代から、レース前日の昼食はカツカレーです。このスパナ型のフォークをお土産に買いました。
ピットに車両を入れられるのは13時を過ぎてからです。 例のNSXは同じピットでした。後で知ったのですが、NSXにはSuper GTなどを走っている現役プロドライバーが乗っていたそうです。トップカテゴリーのプロレーシングドライバーも、我々素人と同様に参加しているしているところが、K4-GPの凄いところです。
練習走行は、クルマの調子を見るのが主な目的です。なにしろ、うちのチームのビートはこの時にしかテスト走行ができません。 特に問題もなく終了。ブレーキのエア抜きとガソリン補給だけして、明日に備えます。
決勝レースの朝。レースの朝は早いのです。朝5時にホテルを出ました。
スタートは8時ですが、スターティング・グリッドには7時から並べ始めます。なにしろ、130台のクルマを並べなければなりませんから、時間がかかります。 そして、K4-GP独特のスタート前のお祭りタイム。変則ルマン式スタートのスターターは仮装をしていなければならない、というルールがあるので、スタート前にはいろんな仮装の人が闊歩しています。
この恐竜の着ぐるみは今年の流行りみたいで、複数のチームが使っていましたが、このチームの恐竜は2匹でいつも踊っていて、見ていて一番楽しかったです。
ミクさん。 左側のミクさんは、とりあえず置いといて、右側のミクさんはうちのチームと同時期に参戦を始めた古参の初音レーシング。去年も来ていましたが、レース中ずっとこの格好ですし、レース終了後にこの格好のまま、キャリーケースをひきずって帰っていく姿が目撃されていたりするので、中の人などいない(すなわち本物)という噂。
このチームは絵の描ける人がいるらしく、毎年、面白いイラストが展示されています。一時は、ほとんど見なくなった痛車カラーリングですが、今年は少し台数が増えていました。
うちのチームの仮装は、「ビオレママ」だということですが、TVをほとんど見ないので、説明されても理解不能でした。仮装は仮装担当がいつも極秘裏に準備しているのですが、来年からはもう少しメジャーなキャラにして欲しい。
そしてこの後、冒頭で紹介した動画のスタートシーンに繋がります。 レース中の映像に関しては、後日に車載カメラの映像からハイライトを紹介するつもりです。
私の走行時には、大きなトラブルもなく、レース進行も1回SCが入っただけで順調でしたが。 2ndドライバーのときに、赤旗中断となりました。原因は、富士スピードウェイ側の計測システムトラブルでした。130台ものクルマが同時にコース上を走るのは大きなレースが行われる富士スピードウェイであってもK4-GPだけなので、計測システムに予期せぬトラブルが起きるのは必然ですね。事前に検証できないですし。 この中断により、ゴール時刻が18時から18時40分に変更になりました。 写真は赤旗中断中のコース上。偶然ですが、ビートが並んでいます。一時期は、うちのチームともう1チームくらい使わなくなったビートですが、最近また増え始めました。
レース中、ペナルティはリアムタイムでモニターに通知されるのですが、「素行不良の為」という珍しいペナルティがありました。具体的に、どんな素行不良があったのかわかりませんが。
レース中盤、ブレーキダクトが外れて、フロントのハブに絡んでしまったトラブルが発生しましたが、これは10分ほどのピット作業で修理完了してコース復帰しました。
レース終盤、残り1.5時間くらいのときに、エンジンが止まった状態で惰性でピットイン。 セルモータが回らず、バッテリー電圧も10Vしかありません。どうやら、オルタネータの発電不良のようです。何時からなのかはわかりませんが、バッテリーだけで走っていて、とうとう力尽きたみたいです。 このまま走り続けることは出来ないと判断。まずは、バッテリーを充電してレース終了の3分前に、押し掛けでエンジン始動して、チェッカーを受けて完走させるという作戦にしました。
ピットから押し掛けスタートのシーンVIDEO
無事にチェッカーを受けられて、完走。 今年はクラス順位で1桁台を狙っていたのですが、結果は 総合順位 104/128位 クラス順位 22/26位 となりました。少し残念な結果ですが、耐久レースらしいアクシデントを乗り越えて完走できたので、楽しかったです。
さて、レースは終わっても、まだまだやる事は残っています。 うちのチームには、 「家に帰るまでが耐久レース」 という格言があります。
積車に搭載。 全チームが帰り支度で混雑しているパドックで、これが何気に大変です。みんな疲れているし、暗い中での作業だし、積車の搭載場所を確保したりで神経を使います。
中央自動車道の談合坂SAで渋滞突入準備。他のチームも考えることは同じ。
帰宅は、ほとんど夜中の12時。 無事に帰宅して、これで今年の耐久レースは終了です。